見た目重視の街乗りタイヤがちょっといいタイヤになっちゃった。10年ぶりのリニューアルを果たしたIRCのJETTY PLUS 使用レビューです。

旧JETTY がどんなタイヤだったかは前の記事をご覧ください。

トレッドパターンが大幅変更

まぁ写真で見れば一目瞭然ですよね。

路面に接触する部分がヤスリ目からフラットに変更されてます。いわゆるスリックタイヤ。この変更によってフィーリングはかなり変わりました。

新旧並べてみた

ライドインプレッション

いわゆる「皮むき」はしてなくてマイクロファイバー布巾で水拭きした状態でのインプレです。

スキッドしにくくなった

スキッドとはブレーキ時のスリップのことです。タイヤがロックしちゃってザザーッとなるアレ。フルブレーキでスキッドする速度から、タイヤの摩擦力をざっくり測ることができます。

リムブレーキ(TEKTROに105シュー)・平地・比較的新しいアスファルト・ドライ路面の条件でテスト。タイヤサイズは空気圧は新旧とも25c、空気圧はどちらも前後7barです。

旧型では35km/hからフルブレーキするとスキッドしてました。(恐らく体重が重いせいもありますんで標準体型の人はここまでスキッドしないと思います)

新型は45km/hからでもスキッドは起こりませんでした。冬の青森は天候に恵まれてまそんのでこれ以上の速度では試せていませんが、この感じだともっとブレーキ性能が欲しいところです。昨今のディスクロードの流れは、タイヤ性能の向上も関係あるのかもしれませんね。

雨天も平気

昔MTBに乗ってた頃は「スリックは雨天時NG」みたいに言われてましたけど、今では「自転車のタイヤは細くてトレッドみたいなもんだからフルスリックでも大丈夫」に変わったようです。タイヤ性能の向上もあるんでしょうけどね。

パターン拡大

新型JETTYはサイド側に溝はありますけどほぼスリックです。現に濡れ路面でばかり走っていますが、旧型よりグリップしてる感があります。

ただしグレーチングはかなり滑るようになった感。舗装部分を走れってことですかね。

軽くなった

秤量10g単位のはかりしかなくてサーセン……。1本でおおよそ50gの差。高速で回転する部位でこの重量差は影響デカいです、ブチルチューブからTPUチューブに変えたくらいの軽量化ですからね。

実際、漕ぎ出しや登りでも幾分楽ですし、20km/hくらいからの速度の伸びがスムーズな感じをうけます。


ここからは数値じゃない部分なので個人の感想として。

転がりが良くなった

旧型では30km/hくらいから、「コーーッ」という音がしてましたが、新型ではしなくなりました。それだけ転がり抵抗が減っているということなのかなと想像しています。

乗り心地が柔らかくなった

同じ7barなんですけど、乗り味がかなりマイルド。大きな路面ギャップは変わらないですが、細かい路面の荒れの振動が0.5barくらい下げたような優しい乗り心地になってます。

デメリット

まぁあんまりないんですけど……

ビードがかなり硬くなった

ビードとはタイヤの縁部分に入っているラインで、ホイールのリムに引っかかる部分のことです。パンク修理やタイヤ交換のとき、このビードの硬さが問題になることも。要するに硬すぎるとタイヤをはめるのに苦労するわけです。

旧型JETTYは「コレ大丈夫?」となるくらい柔らかビードで素手でラクラク脱着できたんですが、新型は結構硬いです。ママチャリとかスーパーエンデュランスタイヤに使われてる鉄ワイヤービードよりはマシ、くらいの硬さ。

力自慢な私はギリギリ素手でいけましたが、出先で疲れてるときや長い下りで握力ゼロの時のパンク修理を想定すると、タイヤレバーもツールケースに入れておいたほうが良さそうです。

グレーチング、マンホール、タイルは滑る

どんなタイヤでも滑るんですけどね。スリックになったことで、濡れたツルツル面はより滑るようになったと感じます。そもそも歩道を走るなって話ですが、点字ブロックとかも滑る。

クラシック車には合わないかも……

私の自転車もクラシックよりにカスタムしてますので似合うようにアメサイドのものを買いましたけど、新しいトレッドパターンは現代的な感じがしますね。イマドキなバイクの方が似合うような気がします。
公式でもちょっと意識しているのかアメサイドの名称が「ウッドカラー」に変わってますね。

結論

今すぐ新型に履き替えろ

公称の性能向上は間違いなく実感できました。この物価高の時代に値段も変わらずにこれだけグレードアップ出来るってすごい。

軽量化効果が特に大きくて、旧型のワンサイズ小さいタイヤと同等の重量になっています。この感じだと1サイズ上げてもいいのかなと感じます。春に試してみたいところですね。

2024/04/10追記

この記事で紹介した25Cと、IRC Jetty PLUS最大サイズの35Cで比較してみました。甲乙つけがたい感じですがご参考まで。