高血圧と熱中症はわりと密接な関係にあることに気づきましたので備忘録として。高血圧持ちは塩分との兼ね合いで、スポーツ中の水分補給でスポーツドリンクは飲んでも良いのか?水のほうがいいのか?を真面目に考えてみました。

先日の猛暑で熱中症になったときに熱中症のメカニズムや体内のミネラル分などについてかなり調べましたので、その時の知識をベースに書いています。ちなみに私は医者でも栄養士でもないので参考程度にオナシャス

本当は怖い熱中症対策

ここ数年は各地で異常な酷暑が記録されていて、熱中症も身近な病気になっちゃいましたね。

よく言われている通り、症状は

  • 悪寒
  • 頭痛
  • 吐き気
  • めまい
  • 足攣り

などなど。最悪生命に関わる恐ろしいものです。

原因はシンプルで、

「汗をかきすぎて体内の電解質が失われることで水分が吸収できなくなり、血液の循環が滞って体温を下げることができなくなる」

んだそうです。

実際経験して感じたのは、表面は冷えてるのに身体の芯が熱いということ。血液がうまく循環できないってこういうことなんだなと痛感しました。

汗で失われる電解質

電解質というのはイオン、つまりミネラルが水に溶けた状態を指します。汗に含まれるイオンは

  • ナトリウム 300~1200mg
  • カリウム 50~350mg
  • カルシウム 10~100mg
  • マグネシウム 1~8mg

の4種。ナトリウムは血液内の濃度が下がるとダイレクトに命に関わりますし、カリウム・カルシウム・マグネシウムも神経伝達に関わるため、この4種全部が適正量補給されることが望ましいです。

色々な研究資料を当たってみましたが「汗にはこれだけの量が含まれています」という値が振れ幅がめちゃくちゃ大きくて、具体的にどのくらい汗に出ていてどのくらい必要というのは個人差・普段の塩分摂取量・暑熱順化の状況・気温など様々な変数によって異なる模様です。(スポドリ業界のポジショントークもすごい……)

高血圧とナトリウム

話は変わりますが私、毎年の健康診断で高血圧で引っかかってます。その都度医者に「運動して、塩分ひかえて」って言われますけど、運動はかなりしてる方なので塩分が問題なんでしょう。ミネラルでいうとナトリウムになりますね。

最大心拍数の80%くらいで1時間運動すると1Lくらいの汗をかきますので、上に書いた汗のナトリウム濃度の中間で計算すると食塩換算で約1.9gの減塩と同じ効果が見込めそうです。(汗の量や塩分濃度は個人差があります)

しかしながら熱中症が怖くて、主に水分補給はスポドリで行っています。コスパ最強のイオンドリンクをいつも飲んでます。

このイオンドリンクなんですがハイポトニック飲料なので、汗とほぼ同じだけの電解質が入っています。つまりこれを1L飲むとせっかく汗で排出したのと同じだけの量の塩分を摂ることになっちゃうので、塩分の収支はトントン。食事の塩分と合わせると、ナトリウムに関しては適正量オーバーってことになってしまいます。

特に今年は猛暑と重めの熱中症を経験して、運動しないタイミングでもスポドリ消費量がかなり増えていました。それで運動している割には血圧がむしろ上がってしまって、降圧剤の処方が増えて熱中症になりやすくなり、更にスポドリを飲む悪循環になっていたように感じます。

考えた末に行き着いた原点

水分

屋外での運動中

連日朝から30℃超え、さらに日差しもあったりしますので、運動中は熱中症回避のために今まで通りスポドリを準備してライドしています。途中で具合が悪くなったら周りに迷惑かけちゃいますからね。

屋内の運動・運動後

真水」を飲むようにしました。運動中にスポドリで塩分を摂りすぎた場合も、その後で真水を多めに飲んでいれば尿としてナトリウムを排泄できます。ローラー台はクーラーのないガレージでやってますが、1時間以上行うことはまれなので、真水のみでも熱中症っぽさは出ませんでした。スピンバイクはクーラーの効いた室内で出来るため、2時間漕いでも真水オンリーでやってます。

ナトリウム(塩分)

私の場合は普段の食生活をしているだけで過剰摂取なくらいのようですので、熱中症になりそうなときだけ補給するスタンスに変えました。

ファインのイオンドリンクをサドルバッグ常備している他、酷い熱中症を経験してからは食塩ひとつまみをジップ袋にいれて持ち歩いていますが、今のところ出番なしです。

カリウム

カリウムは普通の植物性の食品にふんだんに含まれています。さつまいも、バナナ、きゅうり、豆乳が気軽かつ高カリウムですね。無調整豆乳はナトリウムほぼゼロで理想的です(マズいですけど……)。

塩分と拮抗して一緒に排泄される特徴があるようですので、なるべく味付けしなくても食べられるもので、量を多く取れるように心がけています。

カリウムのサプリメントも存在していますが、所要量に対して極微量で値段も結構します。味付けしなくても食べられるような野菜や果物を食べたほうが断然コスパも良くて健康的だと思います。

私の住んでいる青森県は道端に無人販売がたくさんあります。夏場はキュウリやトマト、秋はりんごが一袋100円で売られてる事が多いです。青森りんごが100円で3個買えるのは青森だけ!

収穫の様子

カルシウム&マグネシウム

自転車のプロ選手は若年性骨粗鬆症の率が高いそうです。あくまでもプロ選手並みに年間通して毎日長時間乗ってるような人の話で、ホビーライダー程度ではそれほど影響ないとは思うんですけど。

「ナトリウムが足りない状態で発汗を続けるとカルシウム/マグネシウムの汗から放出される量が増える」という研究データもありました(出典 マグネシウムと健康)。その分、骨が減っていることが示唆されています。

逆に「高濃度のナトリウムを尿から排泄する時には、カルシウムも一緒に高濃度で排泄されてしまう」という研究データもありますので、高血圧民はカルシウムも意識して補給するに越したことはなさそうです。(出典 スポーツにおける食塩摂取の必要性とその生理作用

汗で放出してしまう量は1Lあたり10~100mgなので一日所要量からみてもそれほど大きな値ではありません。カリウム・カルシウム・マグネシウムが一緒に摂れる牛乳なら200mlで補える量です。安価でどこでも売っていて理想的な補給源ですが、カロリー高め・お腹が緩くなるので私はあまり飲んでいないです。

青魚も好きですが、補給手段として手軽ではないし、味付けで塩分を足されてしまうのがネックです。

そんなわけでカルシウムはDHCのサプリで補っています。

マグネシウムも摂れるし、サプリではかなり安い部類です。朝だけ一回で3錠でもいいみたいですけど、カルシウムは吸収が良くないと聞きますので、3回に分けてゆっくり吸収出来るようにしています。

補給食で補うには

普段の食事としては上記の感じですが、バナナをサイクリングに持ち歩くのはちょっとしんどいですよね。最近はバナナも売っているコンビニもちらほらありますけど、確実ではない感じです。

手に入りやすさと扱いやすさから、サイクリング中はようかんとソイジョイが強いです。

ようかん

自転車の補給食でよく食べられているようかん、私も普段から好んで食べています。ようかんは小豆と寒天が主原料、カルシウム15mg・マグネシウム6mgと、そこそこ含まれています。ひとくち羊羹1個で汗1Lで失われるくらいの量は補えそうです。

ソイジョイ

モサモサして好みが分かれるソイジョイですが、カリウムが244mgとかなり多めで、バナナ1/2本分くらい。コンビニで買えてゴミが邪魔にならないのでこれは積極的に買ってもいいなと思いました。

牛乳・低脂肪乳

上でも書きましたが水分・カリウム・カルシウム・マグネシウムが一気に摂れる優秀なドリンクです。乳糖耐性弱めの私は、ライド中に尊厳に関わるイベントが発生する確率が高いので避けてますが、お腹がゆるくならない人にはオススメです。