7,980円で買える「まともな」激安スマートウオッチ、Amazfit Band7。あまりサイクリスト目線で語られているレビューは見かけなかったので、いいところ・悪いところをツラツラと。

前に書いたIntervals.icu翻訳作業をしながらトレーニング管理していて気がついたのは、「ライド・ワークアウト以外でも疲労溜まってるよな」ってことです。私たちアマチュアサイクリストは、データ上では疲労度が低くても、自転車通勤やヨガ、筋トレなんかでも疲労が溜まってるわけですが、そういったものも記録して管理したいな、というのが発端。

一日中胸バンド式の心拍計をつけてるわけにもいかないのでどうしたものかと考えあぐねてましたが、スマートウオッチだと簡単に出来るんですよね。

スマートウオッチ調査してみた

スマートウオッチも色々ありますが、AppleWatchとかPixelWatchとかはスマホの延長という位置づけで、価格もお高め。ウオッチ側からLINEに返信とかの機能は求めてなくて、どちらかというと万歩計・活動量計の進化版的な「ウェアラブルサイコン」が欲しいわけですよ、サイクリスト的にはね。

サイコン的なスマートウオッチ=フィットネストラッカー

「サイコン代わりの気軽なスマートウオッチ」。フィットネストラッカーっていうカテゴリになるようで、そうすると案外選択肢は狭まります。

Fitbitシリーズ

いつのまにかGoogle傘下になっていたFitbit。フィットネストラッカーでは草分け的存在です。記録したアクティビティはStravaにも同期して記録できます。

本体価格はAmazfitと同程度にお安くなってるんですけど、サブスク加入前提の機能が多くてちょっと扱いづらいイメージです。データの保管は基本的にGoogleFitやGoogleヘルスコネクトなんですが、Googleってときたまサービスを突然廃止したり破壊的な仕様変更したりするので、データの蓄積という意味ではちょっと信用しきれないのです……。元Google+民ゆえの悩み。

Garmin系

サイクリストなら言わずとしれたガーミン。心拍測定から推定VO2Max、TSS測定までなんでもござれです。サイコンもGarminならGarmin Connectで一元管理できるのは強いですね。サイコンだけでは使用できないボディバッテリーやストレスレベルなどの測定機能も魅力的です。

ForeAthleteシリーズ

どちらかというとランナー向けな感じがしますが、GPS内蔵でANT+やBLEで各種センサー対応、ForeAthlete自体を心拍計としてサイコンにも接続可能、とかなり多機能です。買えるんならコレがいちばんなんでしょうけど、エントリーモデルで定価33,000円と、当青森県の賃金水準では気軽に買えない品となっております。

vivosmartシリーズ

GPSなしの心拍測定と歩数計がメインのフィットネストラッカー。ANT+でサイコンに心拍データを飛ばすことも出来るみたいです。定価19,800円と、機能に対して考えるとあまりコスパは良くないような。

Wahoo Elemnt Rival

キャンディ型のビンディングペダルで有名なWahooでもサイクリスト/マルチスポーツ向けのウオッチを発売しています。

GPS対応でANT+やBLEのセンサーにも対応。これはウェアラブルサイコンを地で行くガジェットですね。まともにスポーツウオッチサイズで、デカすぎるので除外。お値段も結構しますね。

Amazfit Band7

もともとXiaomiブランドのスマートウオッチ部門で、子会社として独立して作っているのがAmazfitシリーズだそうです。Amazonは関係ない模様。スマートウオッチらしいモデルもありますが、アクティビティトラッカー的な位置づけのBand7がつけていて邪魔にならなそうで良いです。

独自OSですが、外部デベロッパがアプリやウオッチフェイスも作れるAPIが準備されています。PGのハートが疼きます。

「まずはお試しで」で買いやすい金額と、機能は一通り揃っていることから、こちらを購入してみました。

早速PIPBOY風にスキン変更

レビュー

つけごこちは?

シリコンバンドが標準付属します。普段あまり腕時計はしない方ですので、特に可もなく不可もなく。不快ということはないです。心拍トラッカーなのでピッチリ着ける必要がありますので、運動中や入浴後はムレを感じますがしょうがないところです。

バンドの留め具が穴にピンを刺すだけの構造ですので、棚の奥のものを取ろうとして引っかかって外れることはありました。しかしシリコンバンドのグリップで落ちたりはしませんでしたし、留め具が運動中とかに外れるようなことはないのでそれほど問題ないかなと思います。

機能は?

  • Band7本体で出来ること
    • 心拍数
    • 血中酸素濃度
    • 睡眠モニタリング
    • ストレスモニタリング
    • アクティビティトラッカー(心拍数、GPS測位)
    • 水分補給アラーム
    • 座りっぱなしアラーム
    • 基本的な動作設定
    • 通知受信(LINE、SMS、通話、カレンダーなど)
  • スマホZeppアプリで出来ること
    • 各種データ閲覧・解析
      • アクティビティ
      • 睡眠・ストレス・血中酸素データ
      • PAI(運動強度モニタ)
      • VO2Max確認(ランのみ)
      • トレーニング負荷
    • Band7の細かい設定(パスコードロック設定など)
    • Band7へのミニアプリ追加・ウォッチフェイス追加

一般的な機能はひととおり揃っています(コースナビ機能は非対応)。自転車のVO2Maxがないのが残念ですね。

ちょっと珍しいのはPAIという運動強度の指標でしょうか、初めて聞きましたが、ちゃんとした運動生理学的に裏付けのある指標だそうです。

アクティビティ全部をAmazfitで計測・保存していないとちゃんとした値にならないようで、私も同世代と比べてかなり運動してる方なつもりですが、PAIだと実年齢より10くらい年寄り判定されています。

Zeppアプリは外部アクティビティデータが取り込めないため、サイコンやStravaがメインな場合はちょっと活用が難しい機能ですね。

モヤッとするので非表示にしていますw

操作性

Band7はボタンレスで、タッチ操作オンリーです。感度はかなり良いのですが、良すぎてシャワー中にいろんなところが押されてしまうのは気をつけないといけません。スクリーンロック機能もあるんですけど、「下から上にスワイプ(しかも短距離)」という単純なジェスチャーでロック解除されちゃうので、水滴で秒で解除されます。大雨のライドでも誤動作でちょっと不便かもしれませんね。

風呂・雨対策

自宅だと外して入浴してますが、日帰り温泉などではちょっと不安。「一度腕からはずしたらパスコードロック」という機能がありますので、それを利用して 入浴前に一瞬外す→着ける で対応してます。

パスコードの数字が小さすぎてめちゃくちゃ押しづらいんですけど、そのおかげで意図しない動作は防げます。(パスコードロック状態でもウオッチフェイスは表示されます)

アプリの機能

ウオッチ単体でもそれなりに設定は出来ますが、細かい設定はスマートフォンにZeppというアプリをインストールして行います。というかこれを入れないとGPS機能が使えません(後述)。アクティビティやウェルネスデータの保存は端末ではなく、Zeppのクラウドに保存される模様。

アクティビティの結果やストレス状態、ボディバッテリー的な機能も、Band7の小さい画面で見るよりスマホの方が確認しやすいですね。ちなみにPCからは情報を確認する手段がありません。PCWatchでもこんな記事になってますね。

肝心のサイクリング用途は?

便利?

便利です。心拍ゾーン設定ができ、ゾーンから外れるとワークアウト中にバイブで知らせてくれます。特にスピンバイクとかローラー練のときに便利ですね。

しかしワークアウト中の表示は、ただ純粋に現在時刻が見たくても、時刻表示がめちゃくちゃ小さいんですよ。ここはちょっと不便。カスタマイズできればよかったんですけどね。

バッテリーの持ちは?

心拍測定頻度や画面の輝度などで結構変わるようですが、アクティビティのトラッキングを利用しなければ7日は持ちそうな雰囲気です(心拍測定10分おき、睡眠モニタリングON、画面輝度低めの設定です)。

アクティビティアプリからサイクリング(屋外)を選択すると、GPS測位が始まり、心拍測定頻度が高くなりますので、電池消費は大きくなります。

Band7本体にはGPSはついていませんが、スマートフォンの位置情報を利用してナビや走行コースの記録が可能です。いわゆる”コネクテッドGPS”のタイプですので、走行中はスマホの電池もモリモリ減ることになります。

参考までに、比較的電池容量は大きい方なスマホ Oppo Reno 5AでBand7で8時間ライド記録したところ、

  • スマホ側 100%→16%
  • Band7側 100%→52%

と、スマホの方がバッテリーの負担がデカい模様です。

他のセンサーは使える?

ケイデンスセンサーやスピードセンサー、パワーメーターなどは接続不可です。スピードに関してはGPSで計算していて、心拍数、スピードから消費カロリーや運動負荷を推測している模様です。

スマートフォンのZeppアプリからStravaに直接アップできるんですけれど、そんなわけで速度と心拍数、Zeppが計算した消費カロリーのみのデータになります。

サイコンとの接続は?

Bluetooth使えるし、もしかしたら出来ないかな……と淡い期待をもっていたサイコンへ心拍データを飛ばす機能ですが、ダメでした。

デベロッパー向けドキュメントにBluetooth接続に関するAPIがあったので期待してたんですが、スマホとのペアリングに関する機能しか提供されていないようで、他の機器と通信する手段はない模様でした。残念。

スマホ内の別なアプリへ心拍データを飛ばせるらしい機能があるんですが、どうやら機能していない模様?この機能は他の機種では使えているようなレビューもありました。調査不足な可能性があるので引続きいろいろ試してみたいと思います。

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