アクションカメラの代名詞になりつつあるGoProですが、DJI Osmo Actionの追い上げがすごいことになっています。特にサイクリングやハイキングなど、アクティビティの動画を撮る人にはこれ一択になる……かもしれない、かなり大きなアップデートがありました。
DJI Osmo Actionとは
DJIはスチルカメラ用ジンバルやドローンで有名な中国の企業なんですが、2019年頃からモバイルカメラの市場に参入しました。人物トラッキング機能がウリのDJI Pocketシリーズは、テレビの食レポ撮影などでも使われているのをちょくちょく見かけるヒット商品です。
同時期に手ブレや激しい動きに強いアクションカメラのシリーズとしてOsmo Actionが発売されていますが、GoProの後追いでしたので2まではそれほど話題にはなっていませんでしたが、Osmo Action 3で追いつき、2024年9月に発表された5 Proで追い越した感じがあります。
Osmo Action 5 Proはどこがすごいの?
センサーがデカい
カメラのハード的な機能では、Osmo Action 4からGoPro HERO13より大きな画像センサーを搭載しています。センサーが大きいと
- より広角で撮影できる
- より明るく撮影できる
とメリットが大きいのです。
大きなセンサーのデメリットは消費電力が大きくなることなのですが、Osmo Action4/5 Proは Action 3よりロングライフなんですよね。すごい。
アクティビティとの親和性が高いマウント
GoPro HERO12も使っていますが、個人で使うにはOsmo Actionシリーズの方が気が利いていて各種アクティビティで使いやすいと感じています。
ハード面ではマグネットキャッチで着脱が素早いところですね。サイクリング中にハンドルバーに設置したカメラを、食事休憩の際には外して持ち歩きたいところです。GoProマウントはたいへん優秀な仕組みなんですが、着脱がちょっと時間がかかるし、外すたびに角度調節が必要になります。
Osmoシリーズの台座はGoProマウントに固定するものですが、ツメのボタンを押すだけでカメラが取れますので、カメラ台座の角度はそのままで休憩に行けます。台座さえセットしてあれば外すのも付けるのも一瞬です。
ちなみにツメの保持強度はかなり高いです。逆さ吊りでグラベルを走ってもびくともしません。
Osmo Action
ここまでハード的な部分の話をしてきましたがGoProとちょっと上か同等くらいの内容でしたが、DJI Osmo Actionシリーズがゲームチェンジャーになりうるのはスマートフォンで使用するアプリのアップデートです。
その前に、前提となるサイクリングや車載動画などのアクティビティ動画の現状のお話をすこし。
アクティビティ動画のTelemetry表示問題
サイクリング動画でスピードメーターとか斜度とか入ってるのを見たことないですか?こういった作品は、PCに動画を取り込んで Garmin Virb Editという無料のPCソフトでゲージのオーバーレイを編集するのが一般的でした。(過去形)
なぜ過去形かというとGarmin Virbというアクションカメラがディスコンになり、このソフトのサポートも打ち切られてしまったから。今もソフトのダウンロード・使用は可能ですが、
- 最近のアクションカメラから直接取り込めない
- LOGカラー非対応
- H.265コーデック非対応
- 4K60fpsでの書き出しが出来ない
- 裏技があるらしい
- Googleマップを見ながら動画とデータの時間を同期する機能が動かなくなった
- 裏技があるらしいけどかなり面倒
などなど、不便を感じる部分が多くなっています。2018年の最後のアップデートから時代も変わってきて、気軽に使えるソフトとは言い難い状況です。
Garmin Virbの代替
GoPro Quick
GoProにはGPSが内蔵されていて、設定でGPSの記録をOnにすると動画にGPSデータが書き込まれます。GoPro用の編集アプリQuickでは、このGPSデータをもとにマップと速度の表示は可能です。
しかしサイクリング動画では斜度やケイデンスの表示は欲しいところですよね。GoPro以外のデータを表示する機能はないので、車載動画用にはQuickはあまり使われていない印象です。
Telemetry Overlay
Garmin Virb Editの代替ソフトとしてTelemetry Overlayというソフトがあるのですが$199とそこそこ良いお値段します。英語版のみですので、購入している人はそんなに多くないようです。
私も無料お試しをしてみましたが、サイコンで一時停止している部分はバッサリカットされて、切れ目はトランジション無しでブツッと切り替わるのがちょっと……。Garmin Virb Editよりも編集の自由度は低い感じがしました。自転車以外の車載動画で、短めのものをお手軽にサクッと作るのには向いてるかもしれません。
ちょうどいいソフトがない……。そんな事情がありまして、ここ2年ほど車載動画界隈はゲージ表示難民が溢れておりました。
Osmo ActionアプリがアップデートしてTelemetryデータ表示に対応!
話をDJI Osmo Actionに戻します。
2024年9月にDJI Osmo Action 5 Proのリリース発表がありました。公式サイトを眺めているとこんな表示が。
にわかにざわつく自転車界隈。
ちなみにこの機能ですがハード的なものではなく、スマートフォンにインストールして使う、DJI製品のコンパニオンアプリであるDJI Mimoの機能でした。Osmo Action 5 Proのリリースと同時にアップデートが来ています。
つまり、Action 5 Proじゃなくてもテレメトリデータ表示が可能!やった!
早速使ってみる
スマホに取り込んでいた動画がたまたまあったのですぐに試してみました。コンパニオンアプリDJI Mimoで動画編集画面を開き、「ダッシュボード」というモードに。
なんとGarmin Connectから同じ時間のアクティビティを自動的にインポートしてくれるじゃないですか!ちなみに今日使った動画データは時計の設定がすごいズレていたため、手動でDLしたFITデータを使いました。時計設定大事。
で、テキトーに乗せてみたのがこちら。
表示できる項目
スマートウォッチで取得したデータでしたのでケイデンスやパワーなどが含まれておらず選択できませんでしたが、表示できる項目数は以下の通りでした。
- ルート&方向
- 総距離
- 日付と時刻
- タイマー(カウントアップ)
- 心拍数
- 速度
- 高度
- 勾配(%)
- 重力加速度
- 傾斜角度(°)
- 力(W)
- ケイデンス
- ペース(ランニング・ハイキングのみ)
- 水深(ダイビングのみ)
- 高さインジケーター(パラグライダーのみ)
一通り揃っている印象です。バイクなどのエンジン回転数はなさそう。
現段階ではそれぞれ1種類のみ。表示非表示の切り替え・表示位置の調整はできますが、細かい内容の変更は出来ません(ラベルのオンオフとか)。今後のアップデートに期待です。
DJI製品以外の動画にも乗せてみる
Androidだけかもですが。DJI Mimoで編集できる動画はアルバムデータに入っているものだけですが、アルバムのデータの実体は
"/DCIM/DJI Album"
に格納されています。もしかしてここに他の製品で撮影した動画を入れれば編集できるのでは……?と思って試しました。
サクッと出来ました。
ゲームチェンジャーには”もう一息”
というわけで車載動画に必須のテレメトリデータのオーバーレイがスマホだけで簡単に出来てしまう、というお話でした。スマホの操作性だと細かい調整は難しいですけれど、気軽に作れるのは魅力じゃないかなと。
ゲージがそれぞれ1種類しかないのがそっけない感じはしますが、今後のアップデートで増えていかないかなーと期待してます。
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