以前紹介したトレーニング管理アプリ Intervals.icu ですが、実は健康管理アプリとしても優秀です。GoogleFitと連携させて体重や血圧なども記録してグラフ化できます。
まずIntervals.icu とは
本来のIntervalsの使い方は、アクティビティ共有SNSであるStravaと連携してサイクリングやランニング、スイミングなどのフィットネスの統計を可視化して、オーバートレーニングの予防やフィットネスレベルの推定などを行うことが出来るアスリート向けのツールです。
Stravaのサブスクにも同様な機能がありますが、グラフ化機能はオマケ感が強いです。他にもTrainingPeakなど優秀なツールはあるんですが、サブスクでそこそこお値段しちゃいます。Intervals.icuは無料でほとんど全部の機能が使えるので、ホビーライダーには人気のサービスです。
単体でも便利ではあるんですけれど、各種サービスを連携させてなんぼなアプリです。連携と動作のイメージはこんな感じ。
何が出来るの?
サイクリングやランニングのトレーニング管理用としての機能はざっくり以下の感じです。
- Strava、Garmin、GoogleFitと連携してデータ取得できる
- 過去のアクティビティの強度の分析
- 現在の推定身体能力
- 今後のトレーニングの予定を組める
- 予定をこなした場合の疲労度と身体能力を推計できる
- 作成したトレーニングメニューをGarminなどのサイコンに取り込める
- 日々の身体数値の記録
サイクリストとして便利に感じるのは5番なんですが、今回は最後に書いた「日々の身体数値の記録」にフォーカスしてみたいと思います。
身体数値の記録
ウェルネス・フィットネスアプリは今やかなりの数がリリースされていますが、摂取カロリーはあっちのアプリ、消費カロリーはこっちのアプリ……と、それぞれのデータの一元管理はかなり煩雑ですよね。最近増えてきた手頃なスマートウォッチ・スマートバンドは独自アプリでデータ確認だったりするのでなおさら。
これらのデータのハブとして、GoogleFitが現状ではベストな選択肢かなと考えています。
GoogleFitをフル活用
スマート計測器と連携
だいぶ一般的になってきたスマート体重計やスマート血圧計。わざわざExcelなどに入れなくても記録してくれるのは大変ありがたい存在です。オムロンがメジャーですが、私は以前に懸賞でもらったエレコムの体組成計を愛用しています。
わが家の機種はWi-Fiでデータ送信するタイプなので自宅にWi-Fiがある環境限定です。Wi-Fiモデルは初期設定がちょっとめんどくさいのですが、その後何年も毎日手入力するのに比べれば手間はゼロみたいなもんです。
これらのスマート機器は専用のスマホアプリを通じて独自のクラウドデータベースにデータが保管されていますが、GoogleFitに連携することで、Fitに保存された他のデータと組み合わせて見ることが出来るようになります。
データのバックアップにもなるので、GoogleFit連携はしておいて損はないと思います。
スマート体組成計は体脂肪率以外にも除脂肪体重だったりBMIだったり色々なデータを表示してくれますが、GoogleFitで記録できるのは体重・体脂肪率のみです。まぁ骨量以外の値は計算で出せるので……。
健康診断のたびに高血圧も指摘されていまして、親がもっていた普通の血圧計で計測・手入力していますが、こちらもブランド統一してスマート血圧計にしたいなと思っています。
ブランド統一するとアプリが1種類で済むので楽ですね。
スマートウォッチと連携
街中でも着用している人がかなり多く見かけるようになってきたスマートウォッチやスマートバンド。心拍数の計測と歩数、睡眠時間のトラッキングから始まったこれらのトラッキング機能は、今ではストレスレベルの計測やパルスオキシメーター代わりのSpO2測定など、日に日に多機能になってきています。
GoogleFitはこれらの進歩に追いついているとは言えない状況で、管理できるデータは心拍数・睡眠時間くらいです。(Googleの発表によるとこれからはデバイス自体にデータを保管する方向になるようで、Fitの機能強化は期待薄な状況です)
私は安価なAmazFit Band7を使っています。⇒紹介記事
スマートウォッチと接続する専用のスマホアプリを起動するとGoogleFitにデータが同期されるようになっています。
GarminのスマートウォッチはGoogleFitと連携出来ませんが、intervals.icuから直接データ取得できます。GoogleFitを経由しないため、ストレスレベルや心拍変動(HRV)も自動取り込み出来るみたいです。
いいなぁ。いつかはGarmin。
Appleのヘルスケアではダメな理由
iPhoneユーザならスマート体組成計などのアプリもiPhoneの「ヘルスケア」と連携させていると思いますが、Appleヘルスだけだと外部アプリからデータの読み書きが出来ないのです。iOS版のGoogleFitがありますので、Appleヘルスと連携させることで、intervals.icuなどのWebサービスからもデータの取得が可能になるそうですが、iPhone持ってないので詳しい解説は他の方に譲ります。
GoogleFitだけだとダメな理由
じゃぁGoogleFitだけで良くない?と思われるかもしれませんが、前述の記録できるデータが少ないことと・意外とグラフが見づらいこと・任意のデータを組み合わせて見比べるというのにもあまり向いていません。さらに
PCで見れない
GoogleFitはスマホアプリからのみデータの閲覧が可能です(かつてはWeb版もありましたが2019年に廃止)。グラフ類はPCの大きい画面で見たいものですが、現在のところオフィシャルなビューアは有りません。
データの再利用が難しい
GoogleFitアプリには書き出し機能もありません。グラフ化してちょちょいと検討してみたい、というのにも向いてないですね。
ウェルネスデータアプリとして活用するIntervals.icu
さて本題に戻ります。
上記の体重や体脂肪率などのデータはintervals.icuでは「ウェルネス」データとして一元管理できます。GoogleFitで入力・取得されたデータは、連携すると自動で入力されます。優秀。
ウェルネスデータを登録・確認する
intervals.icuで管理できるウェルネスデータの種類は初期状態で28個。
GoogleFitでは
- 体重
- 体脂肪率
- 収縮期血圧
- 拡張期血圧
- 睡眠時間
- 安静時心拍数
の5種が記録でき、これらは自動で取得できます。
GarminスマートウォッチからのデータはさらにGarminConnectとの連携が必要ですが、上記に加えてさらにアスリート向けの値も自動取り込みされるようです。
- 心拍変動
- レディネス
- 睡眠スコア
- VO2Max
GarminConnectからは摂取カロリーのデータも取り込めるはずなんですが、現状はうまく取り込めない模様です。
GarminConnectはMyFitnessPalという食事管理アプリと連携でき、摂取カロリーと消費カロリーの収支が確認できるようですので、Garminのスマートウォッチを使っている人にはおすすめです。裏山C
その他、カスタムフィールドで自分の好きなデータを記録する事もできます。定期的に腹回りと首周りで体脂肪率を計算しているんですが、腹囲はあるけど首囲はフィールドがないので追加して記録しています。
ウェルネスデータを活用する
intervals.icuにあって他のサービスにない最大の機能として、データを自由にグラフ化出来るというものがあります。
一例として
- 体重と血圧の関連を見るグラフ
- 体重の実際の値と7日平均・14日平均とを比べるグラフ
- 減量がうまくいっているかの目安にする
- 体脂肪率の実際の値と14日平均の標準偏差バンドを見比べるグラフ
- 異常値を察知して減量したり食事を見直したりする
- 体重とライドデータを比較するグラフ
- 特にヒルクライム時の心拍数に影響が大きい
などなど、私が使っているのはこんな感じです。あくまで測定数値は機械の誤差もありますので参考程度の値にはなるんですけど(特に体脂肪率)、傾向がわかるだけでも対処は出来るようになりますからね。
統計学の知識があればもっと活用できそうです。
intervals.icuのこれから
intervals.icuは公開されて2年ほどのアプリですが、今も意欲的にアップデートを繰り返しているアプリです。知名度も少しずつ上っているようで、サイクリストさんがXにスクショで上げているのもチラホラ見かけるようになりました。
ディスカッションでも「こんな機能欲しい!」とか日夜コメントが入っているので、これからも進化していきそうなアプリです。今回はウェルネス系の使い方の紹介でしたが、ガチでトレーニングにももちろん便利に使えますので、ぜひぜひ使ってみてください。
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