YouTubeで動画作ってみました。動画の内容は食レポなんですけど、ブログでは制作環境とか編集作業とかのお話をしてこうと思います。

そもそもなんで作ろうと思ったのか

旅行プランで困ったから

八戸にたまに出張に行くことがあるんですけどね、毎度「どこで飯食うか」でいつも悩むんですよ。

一昔前なら食べログ見とけば地元民からの辛口レビューが見れて安定だったんですけどね、今は完全に広告媒体になっててもう機能不全じゃないですか。ラーメンの食レポだけは長文ポエムが充実してますけど、長すぎて読む気しないし言ってる意味がよくわからないし。

それで今はどうやって探すかっていうと

  • Instagram
  • Googleマップ
  • Twitter

あたりで検索するんですけどね。

Instagram

順番的には最初にInstagramで検索する事が多いです。インスタグラマーのおかげでお店の情報はかなり豊富です。インスタの文化で「悪評はダサい」というのがありまして、美味しくなくてもそれなりに良い評価をする風習があります。そのため写真のみで美味しそうかどうかを判断しなきゃいけないので、結構外れ率高いかなー。それと有名アカウントの投稿は案件だったりもして、生の声は聞けないサービスですね。

あとインスタはハッシュタグを組み合わせて検索が出来ないのが探しにくいんですよ。(「#地名 #ラーメン」で検索が出来ない、「#地名ラーメン」だと表記ゆらぎが多くて件数が少ない)

Googleマップ

インスタの仕様上、マップや公式サイトへのリンクがつけられないので、改めて店舗名でGoogle検索して、Googleマップでレビューをみます。

当たり前ですが地図付きなので場所はわかりやすいです。

Googleマップは、レビューの質があんまり高くないというか……。Androidスマホ使ってると来店して数日経ってから「レビューしてください」的な通知が来ますよね、あれって結構時間が経ってるから、レビューしようにもよく思い出せないことが多いんですよね。

それと、なかば匿名に近いレビューなので「店員の態度が悪い」とかそんなバッドレビューがちょっと多いような。特に低価格帯のラーメン屋やカフェは必要以上に悪く書かれている率が高くてちょっとかわいそう。

Twitter

Googleマップで賛否両論なお店はTwitterで検索します。ツイが一番正直な「生の意見」に見えますねぇ、ある程度アカウント自体の信頼性も判断しやすいし、賛否両論な理由が分かったりしますし。小さいお店だと「公式サイトはないけど店主のTwitterアカウントがある」とかもありますよね。

と、まー何ステップも踏まなきゃいけなくて、お店選びめんどくさい。

それで最近覚えたのがYouTube検索です。

YouTube検索

例えば「八戸グルメ」とかで検索すると、ある程度まとまった量の情報が出てきます。「旅行中に食べた旨い飯」みたいなのは店選びではほんと参考になりますね。

しかし、「実際行ったことないけどGoogleマップの画像とコメントでテキトーに作ったろ」的な「〇〇グルメ10選」みたいなノーコンテンツなまとめ動画がかなりあって、やたらチャンネル登録者が多いですがこんなのは低評価ボタンを秒間16連打ですわ。

そしてそういう動画に埋もれてしまって、ほんとの旅行者や地元民が食べてるお店がわかるような動画はあまり上の方に出てこないんですよね。Google検索のまとめサイト同様、過度のSEO対策による検索汚染感がすごいです。

振り返って地元弘前のお店をYou Tubeで検索してみると、これもまた同じような状態。ノーコンテンツSEOマシマシまとめ動画の方が人気動画として出てきてしまうアルゴリズムにモヤッとしつつ、もっと美味しいお店いっぱいあるのになって思ってました。

なければ作ればいいじゃない!

それな。というわけで、まとめ動画より人気動画になって、ちゃんとした食レポを伝えることを目指して動画制作を始めました。動画制作は初心者でも、きのこの本業はWebマーケティング。持てる技術すべてを注ぎ込んでいきます。

チャンネルのブランディングの骨格となる、コンセプト設計はガッチリやっていきます。

  • テーマは「地元民が紹介する弘前の飲食店巡り」
    • 裏テーマ「量産型まとめ系動画を一匹残らず駆逐してやる!」
  • ターゲットは「車を持っていない人」
    • 電車・バス・飛行機で来た旅行者
    • 大学生・高校生
  • 1動画で1店舗・1料理
    • よくあるランキング形式だと早々にネタが切れそう
    • ある程度動画が揃ってきたらランキング作ってもいいかも
  • 顔出しアリ
    • まとめ系動画よりも説得力を持たせたい
    • 他のローカル食レポ動画はテロップのみなので、差別化したい
    • PTA活動などである程度顔が売れているので強みになりそう

チャンネル名は10案ほど考えた中から、比較的人数が多くて年間通して視聴してくれそうなターゲットである「大学生・高校生」をメインに据えて、親しみやすそうなものとして「きのこ先輩の弘前メシ」としました。

そしてあわよくば収益化し、「経費やタイアップでうまいものを喰う」を目指して頑張ります(ゲス顔

機材

ゆーても動画制作は初心者ですのでね、とりあえず手元にあるもので1週間、撮影の練習をしてみましたよ。

SONY NEX-5N

往年のミラーレス一眼カメラ。ミラーレスが爆発的に普及するきっかけになったシリーズです。調べたら2012年発売の品だそうですがわが家では今も現役、FHD画質の動画も撮れますし、スマホに比べてセンサーが大きいので暗所も強いです。

静止画ではレンズ側が対応すれば手ブレ補正があるのですが、録画時の手ブレ補正はほぼナシです。手ブレ対策はなにかしらのテクニックで行うことになります。

「ストラップをつけて首や体にかけて、ピンと張った状態で撮る」っていうワザを使うと、歩かない範囲での移動で、広角ならまぁそれなりにブレずに撮れるようになりました。しかし街ブラみたいなカットはこれだけでは撮れなそう。

他にもNEX-5Nには動画撮影において欠点がいくつかありまして、

  • バッテリ持ちがすごく悪い(録画だと30分持たない)
  • 風切り音すごい
  • 純正の風防がないから自作しないといけない
  • 外部マイクが純正品しかつけられない
  • そもそも純正マイクはプレ値で買えない

などなど。こいつぁ前途多難です。

Olympus ボイストレック V-72

かなり前に会議録音用に買ったICレコーダーですが、こいつにBuffaloのピンマイクをつけてアフレコ録音しました。Buffaloのマイクはゲインがかなりでかいので、V-72側の低感度モード、「口述モード」を使ってゲイン減少させて録音してます。それでもかなり音量デカいんですが、録音機側がホワイトノイズが乗りやすい機種みたいなのでゲイン大きい方がありがたい。

そこそこいい音で録れてましたのでトーク中心ならこれでもアリかな。環境音も録りたいときは何か別な手立てが必要ですねぇ。

Neewer スタビライザー

プロ用の動画撮影機材でステディカムというのがあるというのは昔から知ってまして、たしか映画シャイニングのメイキングか何かで見たのかな。本格的なものは体にハーネスを付けて両手でコントロールするみたいです。まぁ数十万するんですけど。

個人向けでは手持ちで使えるハンドヘルドステディカムというのがあるんですが、4~6万円となかなか良いお値段します。

中華品で手頃なものはないかな?と思ったらありました、貧乏カメラマンの味方 Neewer。

感想は、すごく難しい。広角の方がブレにくいはずなんですが、NEX-5Nに広角パンケーキレンズの組み合わせだと、上部が軽すぎるのか、カウンターウェイト無しでも動作がかなりクイックです。

標準ズームだと重さはちょうど良さそうですが、ステディカム技術の腕の差がモロに目立ちます。歩く時の振動・手首の角度の微妙な動きなどがカメラに伝わり、長尺になればなるほど増幅されてグワングワン。

日々練習してますが、なかなか安定した画は撮れないですね。何より見た目がイカツイので、混んでる店内での撮影はちょっと厳しいかも……。

JOBY ゴリラポッド

最大150cmくらいの三脚は持ってましたが、デーブルトップで使うようなものはなかったので、ゴリラポッドを追加購入。

これはいいものですね。ボール1個1個に高グリップのゴムリングが付いてて安定感もあります。デジイチに標準ズームをつけても1kg切る重量でしたので、一番耐荷重の小さいものを購入しました。

スマホ OPPO Reno5 A

ふと、手元にあったOPPOのスマホでも撮影してみたら案外使えそう。楽天モバイルで実質無料な感じで買ったものでしたが、手ぶれ補正もかなり強いし画もそこそこキレイ。最近のスマホすごいですね。スマホ自体のブレ補正で抑えきれなかったシーンは次に紹介するDavinciでポストプロセスで処理してますが、そちらも全く違和感なくて技術の進歩のすごさヤバい。(語彙力

ずっと以前にダイソーで購入した脚が弱くて使い物にならなかったスマホ三脚スタンドを捨てずに持ってたんですが、それについていた雲台部分1/4ネジが切ってあるスマホホルダ。この部分だけ取ってゴリラポッド用に便利に使ってます。ちょっとグリップ力が弱い感じがしますので、掴む部分にウレタンゴムを着けようかな。

Affinityシリーズ

Photoshop・Illustrator代替ソフトとして有名なAffinity Photo・Designer。仕事ではAdobeズブズブですけど、個人でサブスクは辛いんすよ。。。

動画内の素材やサムネの作成でフル活用してます。ほぼ常時起動。

Davinci Resolve18

動画やらない人には全く知名度がないソフトですが、ハリウッドでも高いシェアで使われている、動画編集統合ソフトの無料版的な位置づけです。有料版の機能は「AI処理・高度なエフェクト・高解像度書き出し」くらいで、動画編集・カラー処理・音声編集と、それぞれのパートの各種フィルタがてんこ盛りで有料版とほぼ一緒という神ソフトです。

専門的な部分が多いソフトですが、切って貼る・テロップつける・BGMつけるくらいならチュートリアル動画を見ながらで中高生でもやれるんじゃないでしょうか。

凝ったアニメーションエフェクトを作ろうと思うと「Fusionエディタ」というちょっと難しめの機能をいじる必要がありますが、BlenderとかUnityとか、ノードベースのソフトで何か作ったことがある人なら、むしろ抵抗なく覚えられそう。

比較的スペックが低くても動作できるというウリですが、当初HDDに動画ファイルを保存して編集していると頻繁に落ちまくりました。大きめのSSDに換装してみたらフルHDの抑えめ画質の動画編集ならわが家の太古のゲーミングPCでもまったく苦にならない動作に生まれ変わりました。

このソフト、ドライブは相当速いほうがいいみたいです。それと多分グラボがいい仕事してるんでしょうね。フルHD24fpsの10分動画の書き出しは、12~5分で完了してます。(メモリ8GB、CPUはIvyBridge i7、グラボがGTX1080)

いずれは新しいCPUにメモリ64GBとかでヌルサク4K編集をやってみたいものですね。

出来上がったもの

まぁちょっと見てってくださいよ。

最終的に11分の動画、

  • 台本 1時間
  • 撮影 1時間
  • アフレコ 30分
  • 編集 20時間

フルタイム3日分くらいの作業量でしたね。編集はチュートリアル動画見ながら試行錯誤してました。次に作る動画では、テンプレ化したり効率化で5時間位には短縮できそう。

きのこのYouTube第一号の動画は全編をスマホReno5Aで撮りました。自転車の車載動画はいろいろなマウント方法を試しましたが、画質的に無理でした。背景がぐにゃぐにゃするゼリーエフェクトがでちゃう。ほんとは自転車動画にしたかったんだけど、それで歩くシーンに差し替えてます。

実食シーンなどはボケが出ないので、背景のモザイクがけがちょっと大変でした。食べるシーンはNEX-5Nを使ったほうが良かったなー。広角でもマニュアルフォーカスで背景ボカシがあれば、もう少し編集で楽できたかもしれないですね。

日々是精進、これにつきますね。

2本目も撮影は終わってますので、編集頑張ろうと思います。