メルカリでPoralのスマートウォッチUniteをジャンク扱いの安価に入手できましたので、常用しているAmazfit Band7と機能や使い勝手を比較してみます。
Poralとは?
このブログを見ている人には説明不要な感じもしますけど、Poralはスポーツ用心拍計ではかなりの老舗で1980年頃からウェアラブル心拍計を製造しているみたいです。今でも胸バンド心拍計ではデファクトスタンダード。
もともと腕時計型の数値モニタで胸バンド式心拍計の値をリアルタイムに表示する製品がありましたので、スマホ普及以前の最初期からスマートウォッチのようなものは製造していた実績があります。
Uniteとは?
PoralはGarminの後を追う形になりましたがスマートウォッチに参入。Pacer Pro、Igniteなどに次いで、Uniteは2020年から販売されているエントリークラスのものです。上位モデルとの一番の違いはGPSが内蔵されていない点です。スマートフォンのGPS情報をコンパニオンアプリ経由でを使って位置を記録する仕組み。各社エントリークラスのスマートウォッチはこの方法でトラッキングしています。
定価では23,900円なのでAmazfit Band7のちょうど3倍くらいです。この価格差で比較するのも不公平な感じもしますが、機能的に似ているので比較してみます。
UNITEで出来ること
心拍数測定
前述の通りもともと心拍計専門メーカーです。4つのセンサーで、精度が出にくいと言われる手首式の心拍測定でもかなりの精度で記録できます。まさしく「餅は餅屋」ですね。
心拍数から計測できる、様々なトレーニング指数も記録してくれます。睡眠中の心拍数変動や呼吸数を測ったり、安静時に心拍数からVo2Maxを測定してくれる機能もあります。
心拍センサーとして他機器に接続できる
Amazfit Band7にはない機能で、コレが欲しくて買ったんですよねー。Bluetoothでサイクルコンピュータに心拍センサーとしてペアリング出来ます。(Amazfit Band7にも設定項目はあるんですけどGarmin Edge130からは認識出来ませんでした。)ガチでトレーニングの時は計測値は正確な胸バンド式の方がいいですけど、通勤とかポタリングなら断然こっちが楽です。
あと逆に胸バンド式心拍計などの外部センサーをウォッチへ接続してデータ取得などもできるそうです。今度試してみます。
アクティビティトラッキング
もちろん腕時計単体でもアクティビティの記録ができます。どちらかというとランニングやウォーキングなどのアクティビティに特化している感じがします。
トレーニングのサジェスト
直近49日間のアクティビティ結果を分析して「このトレーニングやるといいよ!」的な提案が出てきます。
- 筋力(筋トレ)
- カーディオ(有酸素系)
- サポーティブ(体幹トレ・モビリティ)
この3タイプのようです。細かいセット内容も提示してくれますので、特にメニューを決めてない時には便利かも。
ランニングコーチ機能
コンパニオンアプリのPolarFlowの機能になりますが、目標のレースに合せてトレーニングプランを組んでくれる機能です(ランのみ)。
レースの月日・距離、トレーニングに割ける時間を入力すると、アクティビティレベルから無理のないトレーニングプランを出してくれるようです。Garmin Connectにも同様な機能がありますね。
Amazfit Band7と比較して
で。本題のAmazfitと比べてみましょう。
Unite | Amazfit Band7 | |
心拍数測定 | ◎ | ◯ |
アクティビティ記録 | ◯ | ◯ |
GPS機能 | ◯ | △ |
スマホ連携 | △ | ◯ |
バイタル記録 | ◎ | △ |
付け心地 | ◎ | ◯ |
電池・充電 | △ | ◯ |
他サービス連携 | ◎ | ◯ |
1つずつ見ていきましょう。
心拍数測定
🚩Poral Uniteの勝ち
これはUnite圧勝です。具体的には低温時にもちゃんと測定出来ているところですね。低温は手首計測の光学式心拍計の弱点で、気温が極端に低い時は手首の血管が細くなって測定が難しくなるという現象があります。
Amazfitだと息切れするレベルで105BPMとか、逆に軽く息があがるくらいで心拍数MAXで記録されたりします。
まだ数日しか試してませんが、Poral Uniteは-3℃くらいならちゃんと測定できている感触です。さすが計測素子が4つ付いてるだけのことはありますね。
アクティビティ記録
🤝引き分け
ここはあまり差はないと思いました。しいて挙げるなら、外部連携しない場合はAmazfitはスマホのZeppアプリ以外でアクティビティ記録が一切見れない、というのが欠点とも言えるかもしれません。
Polar Flowというブラウザからでも使用できるコンソールがありますが、使い勝手はそれほど良くはないです……。
GPS機能
🚩Poral Uniteの勝ち
どちらもスマホのGPS情報を使用しますので情報に差は無いはずなんですけど、更新頻度の違いか、Amazfitで記録したときの速度はなんかガキガキします。
これは多分、Bluetoothの接続方式の違いなんだと思われます。Amazfitの方は省エネタイプなので、情報取得頻度が低くてこうなってるのかなと。
ついでに心拍数の推移もPoralの方が変化がマイルドですね。
スマホ連携
🚩Amazfit Band7の勝ち
これもBluetoothのせいかもですが、Poral Uniteはスマホと接続しにくいです。どちらのウォッチもアクティビティをスタートする前にスマホからGPS信号を受信する準備状態になりますが、
- Amazfitは長くて5秒
- Poral Uniteはすぐ
Uniteペアリング自体は速いんですけど、スマホに「GPSデータ送信を許可します。」という通知が出て、「許可」をタップするまでスタートしません。
「さぁ行くぞ!」という時にいちいちスマホを取り出さないといけないので、ちょっとテンション下がる。
バイタル記録
🚩Poral Uniteの勝ち
睡眠時間、心拍数などの基本的なデータ記録は両者同等です。単体で使うなら差はないんですが、Amazfitでは細かい指標を他のサービスへ取り込むことが難しいのでPoralの方が便利でした。詳しいことは外部連携のセクションで。
付け心地
🚩Poral Uniteの勝ち
これはまぁ価格の差がダイレクトに出る所ですので……。低温時はキツめに締めたいところですが、Amazfit Band7はちょっと食い込んで痛いです。Uniteはバンドが広めなので、きつくしても痛くないのはいいところですね。
電池・充電
🚩Amazfit Band7の勝ち
Poral Uniteはプラスチック製カートリッジを本体にはめ込んでUSBに直挿しして充電します。コンセント周りでかさばるのでちょっと不便です。私が入手した個体は1年半使用済みの中古ということもあって、フル充電から2日くらいで要充電な感じです。(ちなみにジャンク扱いだったのは本体側のカートリッジを引っ掛けるミゾが摩耗して、何かで押さえないと充電できないためでした)
Amazfit Band7はマグネットで引っ付く、専用のケーブルで充電します。これもやたら短いので便利とは言い難いんですけど、直挿しよりはマシかな……。電池持ちはフル充電で4日くらいです。というわけでAmazfit Band7の勝ち。
他サービス連携
🚩僅差でPoral Uniteの勝ち
両者ともStravaやKomoot、Reliveなどに連携可能ですが、Intervals.icuへの連携はAmazfitには無いんです。完全に主観ですけどこの点だけでPoral勝利。
AmazfitシリーズはGoogleFit経由でバイタル記録をIntervals.icuやStravaに共有することができるんですけど、GoogleFitが「睡眠スコア」「レディネス」「HRV」に対応していないんですよね。それで、Amazfitから送れないデータがいくつかあります。
Intervals.icuを使わない人には互角かもしれないです。
3倍の価格差分の価値はあるか?
表で見てもらって分かる通り、
そんなに差はない
です。
- ランニングコーチ機能
- HRVやレディネスの記録を自動化をしたい
- 心拍センサーとしても使いたい
これらに魅力を感じるならPoral Unite、それ以外ならAmazfit Band7でも遜色無いかなと思います。
更に言うとUniteと同価格帯のGarmin ForeAthlete 55だとサイクリングのコーチ機能もあるし、サイクルコンピュータと共通プラットフォームでアクティビティ管理が出来るしで、わざわざPoralを選ぶメリットは薄いような感じがします。
Garmin一強ってのもつまらないので、Poralにももうちょっとがんばってほしいところですねぇ。
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