アナクロ好きは伊達じゃない。ハンドルバーをランドナーバーに換装、ついでにブレーキレバーも上出しクイックリリースタイプにして、最終的にフォーク抜き輪行に対応するようになりました。

これまでの改造歴を何回かに分けてまとめてみたいと思います。

今回は自転車旅に必須の荷物の取り扱いについて。わりと軽めのカスタム内容になってます。

そもそもランドナーとは

もともとはフランス起源の「ランドヌーズ」という超長距離用自転車だったそうですが、戦後の早い時期から日本の自転車規格で再構築され、「旅行用自転車」として発展したものだそうです。

日本の自転車メーカーがどんどん減っていく過程でランドナーも消滅していきますが、マルイシやアラヤから今も新車が販売されています。

ランドナーの主な特徴は

  • ドロップバー(ストレートやブルホーンもありますが)
  • スレッドステム
  • 未舗装路も走れる太めの650Bタイヤ
  • キャリアやパニアバッグ搭載を前提にした前後ダボの多さ
  • 前後フェンダー(泥除け)
  • 輪行しやすい構成(Wレバーシフト、上出しブレーキなど)
  • ワイドレシオのギア(登坂から高速まで幅広い)
  • フレームはクロモリ・ハイテン鋼・アルミが多い

と、いわゆるロードバイクとはちょっと違う方向性で、速さよりも丈夫さと積載量と乗りやすさを重視したバイクです。コンセプト的には現在流行っているグラベルバイクに近いものがありますね。

正統派(?)のランドナーはこんな感じ。

うーん、ええですな。ザ・自転車って感じ。

ランドナーにもいくつか派生バリエーションがあって、「スポルティーフ」というのが私の目指すバイクです。単純に言うとロードバイク寄りで、舗装路オンリーでそこそこ速度を出して走れる、荷物も積めるような構成の自転車。

上記ランドナーのタイヤサイズが700cになるとスポルティーフだと思ってOKではないかと。現在市販されている完成車だとRaleighのCLRがドンピシャなイメージです。

これを目指してカスタムしてきましたが、約2年かけてある程度完成形になってきましたので改造の記録を振り返ってみます。

素人改造ですので真似するのは自己責任で。正直なところ、素直にRaleigh買ったほうが満足度高いと思いますw

スポルティーフ風カスタムの条件

条件なんていうほど厳密なものでもないんですけど、

  • 荷物の搭載量は多め
  • タイヤは700c
  • ハンドルはドロップハンドル
  • 輪行しやすい構成
  • 山も走れるワイドレシオのギア構成

ざっくりこんな感じを目指しました。

今回は1番目の、荷物の搭載量のお話です。

自転車の荷物運搬事情

2023年現在(というか2021年当時も)、スポーツバイクで荷物を運ぶ場合、バイクフレームやシートポストにくくりつけたバッグに収納する「バイクパッキング」というスタイルが主流です。

空気抵抗などよく考えられていて、ダボがつけられないカーボンフレームでも使えて、高速巡航時も速度に影響が出にくい合理的な運搬方法だと思います。

しかし収納容量が少なめ、つまりテントやシュラフなどが省スペースなもの=高いヤツでないと入らないということに。またパッキング用のバッグも数種類を買う必要があるため、全体に予算お高めになっちゃうのがデメリットかなと……。

マイチャリは鉄製、泥除け用のダボ穴がありますので、これを活用していく方向で、オールドスタイルなパニアバッグの導入を試みました。

パニアバッグスタイルへの道

ベース車は大日産業のR700という車体みたいなんですが、すでに大日産業のサイトからも情報が消されている車種な模様。ホーマックで在庫処分セールで12,000円と、一般車でもかなり激安の部類で購入しました。

もともと自転車でキャンプしたい!と思って購入した自転車ですので、最初はキャリア類から導入しています。2021年5月くらい。

リアキャリア

パニアバッグを着けるためのリアキャリアを購入。

耐荷重50kgって書いてるし、いけるかなと思い、シートポストクランプタイプのキャリアを購入しました。

パニアバッグ

そしてリアパニアアッグ。キャンプ用を想定して50Lの、結構大きいものを購入しました。左右が連結されているタイプです。

バッグ上部にもシュラフなどをくくりつける事ができますので、キャンプなら2泊・ホテル泊なら3~4泊の荷物も行けるサイズです。

センタースタンド

一般車なので、デフォルトでサイドスタンドが付いていましたが、パニアアッグの重量によっては自立できないのでセンタースタンドもインストールしました。

センタースタンド、めちゃくちゃ便利。特に重量物が乗った状態ではスタンド2本と前輪・後輪の4点で支えるため、ママチャリのガッチャンスタンド(勝手に呼称)より安定します。

こちらのセンタースタンドは高さ調整が出来るタイプで、小径車から700cまでいけるものです。私の自転車も700cですが、まだ3つ調整穴が余ってます。どんな自転車用の穴なんだろう。調整はアーレンキーでネジを外して足を刺しなおす作業が結構大変なので、一度設定したら変えない感じです。

センタースタンドは、自分の自転車につけれられるかどうかが事前にわからないんですよね。買ってみて現物で合わせるしかないのがつらいところ。私もぶっつけ本番でつけてみて、同梱の組付けネジの長さが足りずにホームセンターへダッシュしました。(しかもインチネジだったので2回行きました)

チェーンステーのBBにくっつくところ(ペダル軸のすぐ後ろ)にタイヤと5cmくらいの隙間があって、補強プレートなどが無いフレームなら付くと思いますが、言葉で説明するのが難しいですね。

簡易メンテスタンドにもなるかな?と思っていましたけれど、立てている時にクランクを回すとガッとぶつかり、その思惑は外れました。

問題点と試行錯誤

キャリアのトラブル

「シートポストクランプ式でいけるかなと思った」と言いましたが、幻想でしたね……。純粋に重りを置くだけなら50kg耐えられるのかもしれませんが、2ヶ月ほど使用して15kg程度のキャンプ装備で走っているうちに、チェーンステー側のアームがくの字に折れました。

原因はおそらくキッチリまっすぐにセットされていなかった事のようで、片側に曲がっているせいで、そちらに力がかかりつづけて変形したものと思われます。サドルの高さ調節の際に少しだけズレたようです。

角度でいうと5°程度だと思うんですが、専用の治具があるわけでもないので調整がシビアすぎです。やっぱりダボ穴式にしようと思い、買い替えへ。

こちらのキャリアはその後2年間、問題なく使えてます。

ダボ穴増設

ガッチリしたキャリア全般に言えることですけど、フレームにダボ穴がないと取り付けできません。この自転車も一般車とはいえスポーツルック車を目指したタイプのようで、リアキャリア用のダボ穴は有りませんでした。

しかし金属フレームの場合は、ダボ穴の代わりを果たしてくれるパーツが何種類かあります。最初はミノウラのシートポストにクランプして着けるものを試してみました。

初めは問題なく使えていたのですが、振動でクランプ部分が外れることが多くなってきました。その都度締め直せば使えるんですけど、ロングライド中にちょくちょく外れると結構なストレスです。グリスアップなども試しましたがあまり改善しませんでした。この製品はキャリア自体が振動吸収できるステンレス製キャリア用の設計なのかもしれませんね。

ステン製キャリアは1kg超えとさすがに重すぎるので、アルミのキャリアを使い続けるべく、現在はダボ穴は↓こちらに換装しています。

シートポストクランプそのものにダボ穴を生やすという驚きのアイディア。カーボンフレームには使えない旨が書いてありますが、こちとらハイテン鋼なのでお構いなしです。

パニアバッグのトラブル

このバッグは骨になるものが入っていないため、内側にたれてくるんですよね。キャリアの後輪ガードがもう少し大きければ問題ないのですが、荷物が少ない時に後輪スポークに当たってしまいます。おかげで1年で内側の防水膜がちょっとめくれていて、ビニールテープで補修してます。

解決策としてダイソーの収納小分け用メッシュボックスをバッグの骨の代わりに使用しています。

まさかのシンデレラフィット

このスタイルでキャンプ数回、15kg程度の荷物で行ってます。キャリアの強度もダボも問題なしですが、キャンプ場ってたいてい山にあるので、重い荷物で急坂を登るこの苦行……。

まぁそれも楽しみのうちでもあるんですけどね。

弘前・八戸間150kmもノートラブルでした

この構成でまる1年使い倒しましたが、定期的なネジの締め直し程度のメンテナンスで、荷物周りではストレスなく快適に使えています。八戸市までの150kmを10kgの荷物で10時間くらい漕ぎましたが全く問題なしでした。

八戸市からの帰りは青い森鉄道とJRで輪行しましたが、キャリアがあると輪行は不便なんですよね。

そこでフロントフォーク抜き輪行とかそういう方向へ進んでいくんですが、そのへんは追々語っていきます。