シティ車改造履歴シリーズ第3弾

パニアアッグスタイルで何度かキャンプもしているうちに「もっと遠くへ」という欲が出てきました。遠くへ行くためには、速度もそれなりに重要になってきます。

速くなるには足回りから

自動車でも自転車でも、走りに直結するのはエンジンより足回りだったりします。ここでいう足回りはタイヤやホイールです。

気軽に出来る調整・改造

まずは低予算・短時間で出来るものから試していきました。

空気圧調整

愛車のシティサイクルは、ホイールに関してはもともとアルミの700cでそれなりに軽量。しかしタイヤはKENDAの32c耐パンクタイヤが付いていまして、タイヤのみで700g近い激重タイヤです。リムより重いって何ごと……。まぁその代わり画鋲だろうがガラス片だろうが刺さってもチューブまで貫通せず、パンクは一回もしませんでしたね。そういう意味では優秀なタイヤなのかも。

MTBでの経験から、タイヤの高圧チューニングで転がり抵抗が減ることはわかっていましたが、そもそも一般車は英式バルブですので、2気圧以上の高圧にならないんですよね。(でもこの初期タイヤ、指定空気圧が3.5~5気圧なんですよね。どうしろっていう。)

そこで英式バルブを米式に変換するアダプターを使ってみました。

表向きは「英式バルブでも空気圧チェックが出来るようになりますよ」という製品ですが、実質は米式変換アダプタです。

英式バルブの虫ゴムを抜いて、代わりにバルブコア風な虫ゴムを入れ、ふたをするように外バルブを閉めるだけで米式に早変わりです。

試しに4気圧入れてみると……おおー軽い。元の状態では街中では平均11km/hがせいぜいだったのが、13km/h前後に速度が上がりました。最高速度はそんなに変わらないですが、加速後の自然な減速が減って、ロスなく走れるようになった感覚。

ちなみに高圧すぎるとタイヤのグリップ力が落ちて、ちょっとした段差でコケるようになります。体重重い人でも指定空気圧の真ん中くらいで運用しましょう。軽い人は指定空気圧の下限でいいと思いますよ。

ペダルグリスアップ

ペダルを漕ぐとなんかゴリゴリする。降りてクランクを回してもくるくる回る。それ、ペダルのゴリかも……。

一般車のペダルはほぼ樹脂製だと思いますが、中には金属の軸とベアリングが入っています。こちらもきちんとベアリングの玉当たり調整をすればそれなりに回るものなんですけど、なんでかギッチギチに締め込んであるんですよね。もう手で回らないくらい。

実際の脚の力ではロスにはならないレベルらしいんですが、気持ち的に遅くなってるような、心理的な抵抗を感じるわけですよ。なので分解してグリスアップ。

地味でかつ速度には影響しないので…。

ペダルの分解はソケットレンチが必須なので、あまり気軽じゃないかも。

ペダル交換

「踏みにくい」と感じなければペダルはなんでも一緒だと思うんですが、下りで段差を踏んだ時などに脚が浮くのが怖くて、トゥークリップがつけられるペダルに交換しました。せっかくなので三ヶ島のくるくる回るやつで。

一般的に速さを求めてペダル交換っていうとSPDとかのビンディングペダルになると思いますが、昔MTBで使ってフラットペダルとあまり違いを感じられなかったんですよね。

旅用自転車と考えると専用の硬い靴が必要なビンディングペダルは、旅先で歩き回れない または別に靴を持たないといけないというデメリットがかなり大きいので、フラットペダル+トゥークリップが私のスタイルには合ってると思っています。

で、よく回るペダルに換えましたが、速度は変わらなかったですね。ここはほんと気の持ちようというか、おしゃれポイントというか。好きなの使ったらいいと思います(投げやり)。

ややめんどくさいタイヤ交換

タイヤで走りはかなり変わります

空気圧調整で下りと平地はそれなりになりましたけど、坂がきつい。

加速や登攀のエネルギー効率は、回転するパーツの軽量化が重要と言われています。まぁこの重さのタイヤなので、当然きついわけです。

当面、舗装路以外は走るつもりはないので、街乗り用の軽量タイヤに履き替えを検討してみました。

タイヤ本体

私のホイールのリムはやや幅広の内寸15.5mm、タイヤの適正サイズはリム内寸の1.4~2.4倍と言われています。数値上は23cを履けそうですが、実際に23cを試して道路脇のグレーチングや段差が怖すぎたので25cを常用してます。

上を見ればきりがないのでお安いJetty、グリップはまぁまぁしますがタイヤの減りがめちゃ早いです。しかし安いので年2回くらい履き替えてますが、それほど懐が痛まない優秀なタイヤと思います。

実測280gでしたので、前後輪で1kg近い軽量化に成功です。草。

側面が茶色のアメサイドを気に入って履いてますが人気みたいで、欠品が多いので(特に春先)売ってる時に買っておく、っていう感じで常に2本ストックするようにしています。

チューブ交換

タイヤが細くなれば、チューブも細身のものに換える必要があります。こちらも軽量チューブとか青天井ですので、パナの普通のやつで。

元のチューブを計測し忘れたので差は不明ですが、チューブでも前後で100gくらいは変わってそうです。

細身タイヤ用チューブは仏式バルブのみです。(例外はありますけどすごい高い)しかしホイールには英式バルブのでかい穴が空いているわけで、チューブについてくるナットではガバガバで固定できません。

この隙間を埋めるスペーサーを使う必要があります。

このスペーサーは、出先でパンク修理の際に紛失すると詰むので、予備の1セットをツールケースに入れて持ち歩いています(幸いに無くしたことは今のところないです)。部品自体は2年間使い回していますが、問題なく機能しています。

リムテープ交換

KENDAはいいとこ4気圧でしたが、Jettyの25cは指定空気圧が6~8気圧です。もともと英式バルブということは高圧に対応する構成でない可能性があるため、リムテープは高圧用に換えたほうが精神衛生上よろしいです。

クリンチャーの高圧用リムテープって今はSCHWALBEしか選択肢がないんですよね。まぁ安いんで構わないですけど。

29インチ用って書いてますが700cと共用です。テープという名前ですが最初からリング状になっていて、貼るというよりは嵌めるの方が近いです。

こちらも年1回くらいは換えたほうがいい感じです。古くなると高圧に負けてリムテープがへこんで、チューブの内側(リム側)がパンクします。しまくります。何度でもパンクします。これに気づかなくてタイヤパッチ10枚とチューブ3本くらいムダに消費しました。それ以来、常にストックするようにしてます。


細く・軽くなったことで加速も良くなり、最高速度が上がりました。KENDAでは下りで漕いでも35km/hくらいだったのが、後段で述べるベアリング調整と合わせたところ、漕がずに50km/h出たりするようになって最初はめちゃくちゃ怖かったです。

平地の平均速度は20km/hくらいになりました。もう空気圧がどうとかいうレベルじゃなく速くなりましたね。最初からやればよかった。

気軽じゃないやつ

タイヤはチューニングの初歩というかド定番で情報も多くてそれほど難しくないんですけれど、足回りのもう一翼であるホイールはちょっとハードルが高いです。なにより一般車なので、ナット止めホイールしか使えないんですよね。なので完組ホイールを買って付けるだけ!みたいな気軽さはゼロです。

ハブのグリスアップ

最初からもう素人でないレベルに来ていますが…。

ハブというのはホイールの中心部にある、フレームの軸を受ける部分。この部分にはベアリングが入っており、なめらかに回転することで自転車は慣性で進むことが出来る重要な部分です。

逆にハブのベアリングがギクシャクしているとどんどん減速していくということなので、この部品はマメにメンテナンスしたほうがいいのです。

細かい手順は他のブログや動画におまかせしますが、購入時点ではベアリングの滑らかさを左右する玉締めボルトが鬼のような強さで締まっており、これを少し緩め、カタカタしないギリギリの締め具合に設定すると負荷が激減します。平地で5km/hくらいは速度が上がると思いますよ。

ホイールの振れ取り

ホイールのスポーク(細い棒)は、ニップルという内側にねじが切ってある金具でリムを引っ張り合って円形を保っています。

ニップルもネジですので、使っているうちに緩んできます。そうするとホイールの円がいびつになって上下動したり、左右のバランスが崩れてホイールが左右にうねるようになって、転がるだけでもエネルギーがロスするようになります。うねりが酷くなるとブレーキに当たって減速するようになったりします(リムブレーキの場合)。

ホイールを振れ取り台という器具に載せ、ニップル回しという専用工具で調整していくんですが、これもやり方はご自分で調べてください…。なんせホイール1本に32本スポークが張ってありますんでね、32本のバランスを微調整する、恐ろしく地道な作業です。

振れが取れるとうねりを抑えるのに使っていたムダな力が要らなくなる感じがします。またリムブレーキの場合はブレーキの効きが良くなり、下りの握力の疲労感はかなり減ります。速くなるというよりは、疲れにくくなるメリットがあるチューニングに感じています。


ホイールに関しては改造というかメンテナンスって感じですね。大事なことですけど、ホームセンターではここまでは調整してくれないので、ホムセン購入組は自分でやるしかないんでしょうね。

スポーツバイク店でも一般車の振れ取りとかグリスアップとかやってくれるでしょうか?怖くて相談したことすらないです。

もし頼んだ経験ある勇者がいらっしゃったら、ぜひコメントください!