リュックのウェイトは少しずつ重量を増やして20kgに。この1ヶ月で変わったこと・変わらなかったことをまとめてみます。

相変わらず知名度ゼロのエクササイズ「ラッキング(ラックサックマーチ)」なので単純に説明すると「クソ重いリュックを背負って歩き回る」というシンプル かつ キツいトレーニング方法です。前回の記事もご参照ください。

また基本的に街中の平地でウォーキングペースでラッキングしての結果です。訓練のような丘陵で走り回るエクササイズ内容ではないので、そこはちょっと留め置いてください。

変わらなかったこと

体重はそれほど減らなかった

ウォーキングやラッキングの時はAmazfit Band7というアクティビティトラッカーで運動を記録しています。下の画像の通り、計測上はあまりカロリーに差がないどころか、荷物無しの方がペースが速く心拍数が高いため、消費カロリーが多かったりします。

消費カロリーの計算は一般的に

$$ 消費カロリー = 運動強度 \times 体重 \times 時間 $$

となっているため、ラッキングの場合には体重にリュックサックの重さを足したもので計算されるのが正確なのかもしれません。全部かけ算ですので体重の20%を積んでいればカロリーも20%増しでいいのかなと。
2024/09/28追記
カロリー消費量を詳しく計算してみたところ
 体重の10%の錘→カロリー25%増し
 体重の20% 〃→カロリー60%増し
となるようです。詳細は↓こちら

ラッキングってかなりハードに感じますけど、平地でやる場合はウォーキングのもともと少ない消費カロリーの1~6割増しにしかならないということでもあるので、「ラッキングしてるから実質0キロカロリー!」とはならないのでご注意ください。

なのでダイエット目的であればカロリーコントロールも必須です。スマホアプリの「あすけん」で運動強度低めの設定に合せて調整しています。IT系のお仕事ですのでね……。
私のコンディションだと2,200kcalが上限な感じです。

安定の3ケタ

正月太りで増えた分が1ヶ月で取り戻せたのでまぁ良しとしましょう。
👈🐱ヨシ!

体脂肪率はやや減少

ラッキングを始める前の体脂肪率は30%近い値の日もありましたが、7日平均だと27.8% → 26.7%へ減少。

我ながらデブい

グレーのバンドの中心の線が7日平均の線です。1月の序盤は正月太りのが遅れて上がってきているのが見て取れます。神戸牛なみの霜降りっぷりですが、1%減ってるし今後もがんばるとしましょう。

余談ですけど体組成計で測る体脂肪率は、体調・水分の過不足・足の湿り気などで測るたびに激しく変動するものです。増えた減ったで一喜一憂しないために、7日移動平均でならして観測するのが精神衛生上よろしいかと思います。Excelなどでグラフ化してもいいですけど、このグラフはELECOMの体組成計からGoogle Fitへ連携してほぼ自動で記録したものを、Intervals.icuで閲覧・集計しています。
健康管理にも使えるIntervals.icuについては過去記事でまとめてますのでご参照ください。ほぼ全機能無料で使えます。

怪我や痛みはあまりなかった

元々の体重がかなりありますので膝とか足首とかを傷めないか、というのを気にしながらのチャレンジでした。週に体重の2%ずつ重くしていく作戦が良かったのか、幸い今のところ怪我はありません。

12kgくらいの頃にふくらはぎに足攣りのような痛みが出てヒヤッとしましたが、2日休んで回復しました。その後は身体の使い方が出来てきたのか、ウェイトを増やしても2日めには順応するようになってしまいました。

変わったこと

体力がヤバい

現状は20kgを背負って片道4kmの通勤往復をラッキングしています。ペットボトルでは容量が足りなくなったので、ダンベルプレートを固定する工夫をしてこんな感じの中身になっています。

家族には「ネタでしょ?」って言われてる

$$ 2.5kg \times 4 + 1.25kg \times 4 + 2kg = 17kg $$

となるはずなんですけど、リュック本体やプレートのゴムカラーとか固定用のカッターマットなどで合計20kgに。

まさかの20kg超え

これに着替えや貴重品バッグも入れると、さらに1kg程度増えます。
ドラゴンボールで悟空とクリリンが亀仙人のもとで修行したときに背負っている甲羅が20kgなので、亀仙流以上です。ちなジャンプしてあんなに飛べません。

当初のラッキングの目的であった、「20kg以上の物資を10km程度運べるようになりたい」はわりとあっさりクリアできちゃいました。キツイのは変わりないですけどね。

脚の太さがヤバい

脚ヤバい。

残念ながら周長など測っていなかったので体感的な話ですが。特にふくらはぎがヤバいです。自転車でもともと筋肉は付いてる方だと思ってたんですけどね……。

姿勢制御に使われるスネ側の筋肉や横の筋肉が特に発達している気がします。多少ゆとりがあったユニクロのストレッチパンツが、エアロ重視かっていうくらいにピチピチに。
ふとももも同様で、ハムストリングスと大腿四頭筋は言うまでもなく、あまり自転車では使われない横側・内側の発達を感じています。こちらもポケットに入れたスマホがはっきりくっきり浮き出るくらいピチピチ。ズボン総買い替えですねぇ……。

脚以外では、見てわからない部分ですけれど姿勢維持の体幹の筋肉はかなりしっかりした感覚があります。脚とも連携して、ロードバイクの前傾姿勢に寄与してくれそうな予感です。

逆に、重さがもろにかかる肩や背中上部は思ってたより鍛えられなかったです。

EPOC値がヤバい

まずEPOCってなんぞやっていう話ですが、AmazfitやSuuntなどのスマートウォッチで計測できるトレーニングの強度を表す値です。Garminで”トレーニング負荷”と呼ばれる数値と同義なようです。

EPOC

運動後過剰酸素消費量は、運動後の一定時間、身体が酸素の使用を休息時よりも高い割合で継続して使用する状態を指します。(中略)

EPOCは、身体が通常状態かそれ以上に戻るためにどの程度の作業を必要とするかを数値化できることから、運動量を測る優れた方法なのです。

ランニングサイエンス | Garmin 日本

少し前に流行った、高強度の運動後にも通常よりカロリー消費が増えるという「アフターバーン」というものの実体というか。運動後に回復のために安静時よりも過剰に取り込まれた酸素の量を推計したものです。トレーニング用では7日合計を調整した値が表示されています。

ウォーキングの実に4倍でした。グレーのバーが下地に見えると思いますが、その範囲内なら怪我の心配をせずに能力向上できる目安になるようです。なんとも理想的な増え方ですね。急に数値が増えているところがウェイトを追加したタイミングと合致していますので、ラッキングの効果なのだと思います。
本来ならこのグラフを見ながらウェイトを足していったほうがいいんでしょうね、知識不足で宝の持ち腐れでした。

アフターバーンで消費されるカロリーは50~120kcalと微々たるものだそうですけれど、1ヶ月毎日となればチリツモで結構な数字になるんじゃないでしょうか。

心臓が強くなった

上記のEPOCなんですが、直接「脚が速くなった」とか「競技レベルが上った」とかの値ではなくて、「基礎体力が増えた」「キツいトレーニングに耐えられる身体が出来た」というのを表している数値です。

試しにスピンバイクを使って、1ヶ月ぶりに心拍ベースの高強度インターバルをやってみました。

この表は「LT心拍数(1時間続けられる心拍数)」をもとに算出されている強度分布表です。Z7の無酸素域で11分というのは不自然な長さ(通常5分で精一杯な強度)なので、以前の設定よりもLT心拍数がかなり向上していることを読み取ることが出来ます。つまり、以前なら心臓が耐えられないレベルのトレーニングが、ラッキングで基礎体力が改善されて出来るようになった、ということでもありますね。特に高強度の方向にかなりの効果があるように見て取れますし、自分でも実感もあります。
去年は絶対ムリと思っていた峠や山岳コースも、今の心臓ならサラッと登れそうな気がしてきます。春が待ち遠しいですね、オラわくわくすっぞ!

結論:自転車の冬トレにオススメです

昨年も早朝ライドやローラー練など時間をかけてトレーニングしていたつもりでした。が、1ヶ月でこれだけ心肺能力が向上するなら、実車練習よりラッキング優先でもいいかもしれないレベルです。自転車だけでは鍛えにくい心肺機能が直接強化出来るラッキングは、オフシーズンのトレーニングにはかなりアリだと思いました。
なんならオフシーズン以外でも体力と時間に余裕があれば取り組んでもいいかもしれませんね。

※ラッキングを行う際は重量が増えて腰や膝に負担がかかるのは間違いないので、しっかりしたリュックを使い、ウェイトはムリのない重さから始めて、少しずつ増やすようにしましょう。

オススメのリュックは登山用のLowe Alpineです。