ラッキング(ラックサックマーチ)の記事をいくつも書いておいて、こんなことを言うのは恥ずかしいんですが、2年くらいサボってました。
で、「さすがにそろそろ再開するか」と、以前と同じ感覚で10kgを背負って5km歩いたんです。以前は通勤の往復で普通にやっていた距離と重さなので、「まあ余裕でしょ」と。
結果、翌日から腰から背中にかけての筋肉痛で、2日間まともに立てませんでした。
ラッキングを知らない人には「クソ重いリュックを背負って歩き回るだけでしょ?」と思われがちなんですが、その「歩き回るだけ」で動けなくなりました。今回はその反省と、同じ失敗をしないための再開のコツをまとめます。
何が起きたのか:歩いている最中は普通だった
まず正直に書いておくと、歩いている最中は全然平気でした。
息が上がるわけでもなく、肩が少し重いかな程度。むしろ「久々だけど意外といけるじゃん」と調子に乗っていたくらいです。【要追記:当日のタイム・平均心拍などIntervals.icuのデータ】
異変が出たのはその日の夜から。
- 夜:腰のあたりが少し張っている感じ。「ちょっと疲れたかな」程度
- 翌朝:起き上がろうとした瞬間に背骨の両脇がギシッと固まって動かない
- 翌日〜2日目:前かがみ、立ち上がり、靴下を履く動作が地獄
- 3日目:だいぶ落ち着いて、普通に歩ける程度に回復
痛みの場所は、背骨の両サイドに縦に走っている筋肉。腰のあたりが一番ひどくて、そこから肩甲骨の下あたりまでじんわり痛い。
これがいわゆる**脊柱起立筋群(せきちゅうきりつきんぐん)**です。
脊柱起立筋ってどこ?なんでラッキングでやられるの?
脊柱起立筋群とは

脊柱起立筋群は、骨盤から首のあたりまで、背骨に沿って縦に伸びている筋肉の集まりです。名前の通り「背骨を起こしておく」ための筋肉で、
- 上体をまっすぐ保つ
- 前かがみから体を起こす
- 体が前に倒れすぎないように支える
といった役割があります。普段から姿勢を保つために地味に働き続けている、縁の下の力持ちみたいな筋肉ですね。
ラッキングで負担がかかる理由(私の解釈)
ここからは私の体感と一般的な体の仕組みからの推測ですが、リュックを背負うと重さが体の後ろ側にかかるので、そのままだと体が後ろに引っ張られます。
それを打ち消すために、人は無意識に少し前傾します。前傾すると今度は上半身が前に倒れようとするので、それを支えるために脊柱起立筋がずっと踏ん張ることになる。
つまりラッキング中の脊柱起立筋は、
5kmの間ずーっと、10kgを背負った上半身を支え続けている
という状態なわけです。大きく動いているわけじゃないので「効いている感」はないのに、実は長時間仕事をしている。これがブランク明けの体には効きすぎたんだと思います。
しかも私の場合、後半に疲れてくると明らかに前傾が強くなっていた自覚がありました。前傾が強くなるほど背中の負担は増えるので、後半の2kmくらいでじわじわ削られていたんじゃないかなと。
「筋肉痛」と「ケガ」の見分けは大事
今回はあくまで筋肉痛(遅発性筋肉痛、いわゆるDOMS)だったと思っていますが、腰の痛みは筋肉痛だと決めつけるのは危ないので、ここはちゃんと書いておきます。
私が「たぶん筋肉痛だな」と判断した理由はこんな感じです。
- 痛みが出たのが運動の翌日から(直後ではない)
- 痛む範囲が背骨の両脇に左右対称に広くある
- 押すと筋肉そのものが痛い
- 足のしびれや、お尻から脚に走るような痛みはない
- 2〜3日で徐々に軽くなっていった
逆に、
- 歩いている最中や直後に**「ピキッ」と鋭い痛み**が出た
- 痛みが片側だけに強く出ている
- 脚のしびれ・痛み・力が入りにくいなどがある
- 何日経っても良くならない、悪化していく
みたいな場合は、筋肉痛じゃなくてぎっくり腰や椎間板まわりのトラブルの可能性もあるので、素直に病院(整形外科)に行ってください。私は医者じゃないので、ここは断言できません。
ラッキングは「重いものを背負う」運動なので、腰に不安がある人は特に慎重にいきましょう。
立てなかった2日間にやったこと
「2日立てなかった」と書きましたが、正確には立てるけど立つまでが地獄、立ったら立ったで前かがみができないという状態でした。
その間にやったことは、本当に大したことないです。
1. 完全に寝たきりにはしなかった
痛いからといってずっと横になっていると、余計に固まる感覚がありました。トイレや家の中の移動など、痛くない範囲でゆっくり動くようにしていました。
2. 無理なストレッチはしなかった
「伸ばせば楽になるかも」と前屈しようとして、即やめました。痛いところを無理やり伸ばすのは逆効果な気がしたので、仰向けで膝を抱えて軽く揺れるくらいの、気持ちいい範囲に留めました。
3. 体を冷やさないようにした
湯船にゆっくり浸かると、入っている間はだいぶ楽になりました。あくまで私の感覚ですが、温めると固まった感じがほぐれる気がします。
4. ラッキングは当然お休み
さすがにこの状態で背負う気にはなれませんでした。ここで無理して「習慣を途切れさせたくない」とかやり出すと、本当にケガをすると思います。
反省点:何がダメだったのか
冷静に振り返ると、原因ははっきりしていて、全部「以前の自分基準」で考えていたことです。
反省1:ブランク明けなのに重量も距離も以前のまま
これが一番の原因。
以前の私が10kg×5kmを普通にこなせていたのは、それまで少しずつ慣らしてきた積み重ねがあったから。ブランクの間にその「慣れ」はしっかりリセットされていました。
心肺や脚の筋肉はそこそこ維持されていても、体幹まわりの持久力は思った以上に落ちていたんだと思います。
反省2:重さと距離を同時に「元に戻した」
重さか距離、どっちかを控えめにしておけばここまではならなかったはず。両方いきなりMAXに戻したのはさすがに欲張りでした。
反省3:パッキングが雑だった
久々すぎて、荷物の詰め方も適当でした。ダンベルプレートがリュックの下の方で、背中から離れた位置にあったんですよね。
重いものが背中から離れていたり下の方にあったりすると、リュックが後ろに引っ張られる力が強くなって、そのぶん前傾で踏ん張ることになります。以前の記事でプレートの固定方法を工夫した話を書いたのに、自分でやってなかったという。
反省4:後半の姿勢の崩れを放置した
疲れて前傾がきつくなっているのに気づいていたのに、「あと少しだし」と押し切りました。あそこで一回止まってベルトを締め直すとか、少し休むとかしていれば違ったかもしれません。
ブランク明けのラッキング再開、私ならこうする
ということで、反省を踏まえて「次に同じ状況になったらこうする」をまとめます。
重量は「以前の半分くらい」から
一般的に、ラッキングを始める人向けには「最初は体重の10%程度、もしくはそれ以下から」という目安がよく言われています。
ブランク明けなら、以前の重量の半分くらいから始めるのが無難かなと思っています。私の場合なら10kgではなく5kg前後。物足りないくらいでちょうどいいです。
重さと距離は「片方ずつ」増やす
- 1週目:5kg × 3km
- 2週目:5kg × 5km
- 3週目:7〜8kg × 3〜5km
- 4週目以降:様子を見て10kgへ
みたいな感じで、重さと距離を同時に増やさないのがポイント。筋肉痛が残っているうちは次のステップに進まない、くらいの慎重さでいいと思います。
(※これはあくまで私が次にやる予定のプランで、科学的に最適化されたものではないです)
パッキングは「重いものを高く、背中に近く」
- ダンベルプレートなどの重いものは背中側にピッタリ
- 位置は肩甲骨の高さあたり、下に落ちないように
- 中で動かないように、タオルなどで隙間を埋めて固定
- チェストストラップ・ヒップベルトがあればちゃんと締める
これだけで背中への負担はかなり変わる感覚があります。リュックの中で重りがガタガタ動くのも地味に体幹を削るので、固定は大事です。
姿勢が崩れてきたら「止まる勇気」
前傾がきつくなってきた、腰が反ってきた、と感じたら一回止まってストラップを締め直す。それでもダメならその日はそこで終わり。
「最後まで歩ききる」より「明日も歩ける」の方がよっぽど大事です。今回それを2日間の寝込みで学びました。
記録ツールで「再開の進み具合」を見える化する
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再開するときこそ、Intervals.icuやStravaの記録が役に立ちます。
私は普段からラッキングをStrava経由でIntervals.icuに取り込んでいますが、再開期間は特に以下をメモするようにしようと思っています。
- 背負った重量(アクティビティの説明欄にメモ)
- 距離とペース
- 平均心拍
- 翌日の筋肉痛の有無と場所(これ大事)
心拍や距離は自動で記録されますが、重量と翌日の体の状態は手でメモしないと残らないんですよね。今回の失敗も、ブランク前の最後のラッキングがどのくらいだったか、記録を見返せば「いきなり戻すのは無理あるな」と気づけたはず。
Intervals.icuならフィットネス(CTL)の推移も見られるので、ブランク中にどれだけ落ちたかがグラフで一目瞭然です。私のグラフはブランク期間でしっかり右肩下がりになってました。【要追記:CTLの推移スクショ】
数字で「今の自分はこのくらい」と分かると、無茶な重量設定にブレーキがかかるのでおすすめです。
背中を壊さないための補助トレーニング
今回の件で、「ラッキングだけやってればいい」わけじゃないなと痛感しました。特にブランクがあると体幹の持久力が真っ先に落ちる気がするので、自宅でできる軽い体幹トレを併用しようと思っています。
私が取り入れようと思っているのはこのあたり。
- バードドッグ:四つん這いで対角の手足を伸ばす。背中を反らさず、体をまっすぐ保つ練習になる
- デッドバグ:仰向けで手足を上げて、対角の手足をゆっくり下ろす。腰を床から浮かせないのがポイント
- グルートブリッジ:仰向けで膝を立ててお尻を持ち上げる。お尻の筋肉が使えると、腰ばかりに負担がいきにくくなる(と言われている)
- プランク:定番。ただし腰が反ったり落ちたりしない範囲で短めに
どれも器具なしでできて、1日5〜10分くらいで終わります。いきなりガッツリやるとまた筋肉痛になるので、ここでも「物足りないくらい」から始めるのが正解だと思います。
ちなみに、筋肉痛が残っているうちは補助トレも休んでました。痛みが引いてからスタートです。
変わったこと、変わらなかったこと
最後に、今回のブランク明けラッキングで正直に感じたことを。
変わらなかったこと
- 脚と心肺はそこまで落ちていなかった(歩いている最中は普通だった)
- 歩き終わった後の「やりきった感」と、ちょっとした爽快感
- 体重は安定のまま(ここはブランク中もあまり変わらず…)
変わったこと(落ちていたこと)
- 体幹、特に脊柱起立筋の持久力
- 後半の姿勢維持能力
- 「自分はまだいける」という過信だけは健在だった
落ちてなかったのが過信だけっていうのが、一番の問題ですね。
まとめ:ラッキングは「歩くだけ」だからこそナメちゃダメ
今回の話をまとめると、
- ブランク明けに以前と同じ10kg×5kmをやったら、脊柱起立筋群がやられて2日まともに立てなかった
- 原因は重量・距離を同時に戻したことと、雑なパッキング、後半の姿勢の崩れ
- 再開時は以前の半分くらいの重量から、重さと距離は片方ずつ増やす
- 重りは高く・背中に近く・ガタつかないように
- しびれや鋭い痛みがあるなら筋肉痛と決めつけず病院へ
- 記録ツールに重量と翌日の体の状態もメモしておくと、無茶を防げる
ラッキングって、ジムでバーベルを担ぐのと違って「歩くだけ」なので、どうしてもナメがちなんですよね。「ネタでしょ?」って言われるくらい地味な運動ですが、10kgを背負って1時間近く体を支え続けていると考えると、そりゃ背中も悲鳴を上げるわけです。
私はいま、5kgに落として少しずつ再開しているところです。【要追記:再開後の状況】しばらくしたら、ちゃんと10kgに戻れたかどうかもレポートしようと思います。
同じようにブランク明けの人、これから始める人は、くれぐれも私みたいに「以前の自分」と張り合わないでくださいね。
それでは、また。